必ず脱毛するの?・・・抗がん剤治療の副作用・・・

治療技術の向上で今や不治の病ではなくなった「がん」ですが、療養生活を送るうえで遭遇する可能性が高いものとして「脱毛」があげられます。
また、長期入院から通院主体の治療に変化してきており、脱毛した状態での通院や早期に社会復帰した場合の「外見ケア」も重要な関心事となっています。

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外見ケアとは

現代の医療は、患者に対ししっかりと病気の内容、治療方針、治療を始めるにあたり副作用等の問題など、患者が安心して療養生活に打ち込めるよう可能な限り情報開示をするようになっています。

そのため、薬の副作用による頭髪の脱毛などの情報もほぼ正確にお伝えしてくれます。これは、社会生活する上での患者様の心的負担のケアも重要であるとの観点からであり、すべての医療機関で取り組まれています。

補助金や助成制度がある自治体も

現在ではまだ各自治体での取り組みになりますが、行政サービスとして補助金や助成制度を設けているところも増えてきています。

「外見ケア」について積極的な取り組みを行っている病院があり、特に東大病院の「外見ケアイベント」などは、複数メーカーのウィッグから乳腺手術後のケア用品等かなり力を入れているところもございます。

なぜ脱毛するの

がん細胞は、分裂・増殖のスピードが速いという特徴があり、その活発な細胞に抗がん剤が作用するようになっています。
同じように分裂の早い細胞として毛母細胞があり、その細胞に抗がん剤が作用してしまい脱毛につながります。
そういった脱毛の種類は、活発に成長している段階に起こることから「成長期脱毛」といいます。

抗癌剤と脱毛の程度

抗がん剤の種類や投薬期間でも脱毛の程度や脱毛する時期が違い、また個人差がありすべての人が無毛状態になるわけではありません。

記号 一般名 商品名
C シクロホスファミド エンドキサン
M メトトレキサート メソトレキセート
F フルオロウラシル 5-FU
A 塩酸ドキソルビシン アドリアシン
E 塩酸エピルビシン ファルモルビシン
T パクリタキセル タキソール
T ドセタキセル タキソテール

記号CMFは、平時から3割ぐらい減ってしまうイメージの場合が多いようですが、人によっては全身脱毛することもあります。
それ以外の記号は脱毛率が高く、投薬2~3週間後に脱毛が始まり3~6週間後にはおおむね脱毛してしまいます。
それにAEやTが加わるとより脱毛率が高くなり、全身脱毛することもあります。

治療から自毛が戻るまで

治療方針決定
ウィッグ検討はこのタイミングがベスト
抗がん剤投与
2~3週間後から脱毛が始まります
脱毛
抜け方はさまざま

眉毛やまつげまで抜けることも

頭皮にムズムズや痒み等を感じる場合もあります

 抗がん剤投与終了
 ↓  投薬終了後すぐに生えてくるわけではありません

生えてきたなとわかるまで3週間ぐらいかかります

はじめは白髪の産毛様の髪が生えてくることもあります

 自毛復活が始まる
 ↓  髪の成長速度は1か月1センチ程度

スタイルが作れるまでには1年半から2年ぐらいかかります

スタイルが作れるまで回復

ウィッグを準備するタイミング

まだ体調が安定していて脱毛の始まっていない投薬前に準備することをお勧めします。
かなりの割合で自分は大丈夫ではないかと脱毛が始まるまで放置している人がいますが、その段階で慌ててウィッグを買おうとしても、今度は気に入った物が見つからずということが少なからず発生しています。
自分好みにオーダーメイドで作る場合、オーダー内容によっては2カ月ぐらいかかる場合もありますので、注文から出来上がりまでの作製期間にも注意が必要です。
なかには普段と違うスタイルを楽しめると、思い切ったカラーやデザインなどファッション感覚でウィッグをお作りになられたりする人もおられます。
そういった楽しみ方もウィッグならではだと思います。

医療用ウィッグ

では、どのようなウィッグを選んだらよいか?

ホームページで調べてみてもさっぱりわからないのではないかと思います。
ファッションウィッグ、医療用と銘打っているもの、オーダーメイドなど。そして、部分ウィッグからフルウィッグまで、金額も数千円から数十万円まで多種多様なウィッグが存在します。
その中でお選びになるポイントをいくつか取り上げたいと思います。

ウィッグ選びのポイント

・部分ウィッグとフルウィッグはどちらを選べばよい?
薬の副作用が原因の脱毛の場合、脱毛範囲が全身に及ぶこともあります。
そのため部分タイプのウィッグでは脱毛部位をカバーすることができなくなりますので、フルウィッグをお選びになってください。
治療が終了すればほぼ元の量に戻るのですが、中には分け目やつむじの部分が広がって薄く見えてしまう程度にしか回復しないこともあります。部分ウィッグは、そういった状況下でご検討いただくと良いと思います。

・普通のウィッグと医療用と書かれているウィッグの違い
厳密な括りで医療用というウィッグは存在しません。
東大病院の外見ケアイベントや自治体の助成金案内のページを見ても医療用ウィッグとの表現は無いので、その部分に拘って購入する必要はありません。
但し、あまりにも安価な量販店で販売しているようなウィッグは、イベント用になりますので普段の社会生活には馴染みません。
良質なものを提供できるかどうかの見極めポイントは、ズバリ「オーダーメイドでウィッグを作ることが出来るか」です。
お客様のご要望を聞いてウィッグの設計をし、それを工場で作る技術力がなければお客様のご要望を受けとめることができないからです。
そういったことから、医療用と記載されているかどうかはあまり意味がありません。
大手が立ち上げた業界団体日本毛髪工業協同組合が認証している「M.Wig」でも、「インターネットなどで流通している一部の粗悪な商品」と記載されていますので、おしゃれな写真がいっぱい並んでいる通販サイトをご利用される場合はご参考にされると良いかと思います。

まとめ

いまや二人に一人ががんになる時代になりましたが、治療技術の向上で不治の病ではなくなりました。
その様な時代に求められる質の高い療養生活を送る為に無くてはならない「外見ケア」

お客様一人一人のそれぞれの想いを大切に・・・クオリティ・オブ・ライフを高めるお手伝いをいたします。

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