メディアの取材を受けました。BBcom – イノベーションを起こした経営者列伝

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高品質なウィッグを低価格で実現する!
飛躍的生産性の向上をもたらす
ウィッグと増毛サービスでサロンに
イノベーションをもたらす

理美容室でウィッグのサービスを導入する。大手かつらメーカーでの豊富なキャリアと現状の不満から専門サロンを立ち上げた。その生産性の高さ、そして受注から生産まで受け持つバックヤードでの確立まで、あらたなビジネスモデルを誕生させた。しかも、利益を独り占めすることなく、このビジネスモデルに賛同するサロンを求めているのだ。サロンだからできる大きな可能性、そのイノベーションの中身を追ってみよう。

ウイッグのおかげで結婚までできた!
人生を変えてえしまうほどの威力がある

東京・銀座に今年2月にオープンしたサロン「Floren(フローレン)」がある。じつは知り合いの同じく銀座でサロンを経営するH氏から、すばらしい人がいるので紹介したいと言われ、出会ったのが「フローレン」を経営している井上靖二氏だった。
井上氏の何がすばらしいのかというと、ウィッグの専門サロンを開設し、その生産性の高さをサロンの皆様で共有してほしい、大手かつらメーカの市場独占を阻止しサロンのみなさんと利益を分かち合いたい、そんな志を持っている人だということだった。
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なんでもH氏のサロンのお客様(男性)に井上氏を紹介したら、丁寧な対応でウィッグに対する抵抗感を取りほぐし、その場で採寸、そして後日、仕上がったウィッグを装着してみせるとお客様は大喜び。けっして大げさな言い方ではなく、その人の人生が変わってしまったのだという。なんと、前向きな生き方に変わり、あきらめかけていた結婚ができたということだった。
大手かつらメーカーに市場を独占されるのではなく、通常の美容室、理容室でウィッグを通じてお客様の悩みを解消してあげること。しかも、料金はリーズナブルで高いクオリティのウィッグを提供すること。これが本来のサロンの使命であるという考えからだ。
「ウィッグはちょっと・・・」とほとんどの理美容サロンは敬遠する。では、その敬遠の理由は何かというと、ウィッグに対する知識がない、また市場の規模や可能性もわからない、面倒、後々のトラブルになるのは避けたい、今のメニューで十分・・・そんなところだろうか。
と同時に、こんな感慨も抱いているに違いない。お客様の高年齢化が進み、髪の毛のボリュームダウンを気にされているお客様が多くなった。そういえば、テレビCMなどでさかんに大手かつらメーカーの露出が多くなっている。確かに需要はあるし、今後ますます需要は増えていくに違いない、と。
この現状認識とウィッグへの敬遠。両者のギャップが埋められれば、サロンでもウィッグへの取り組みが増えるだろう。
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しかもこのウィッグは、最高ランクの人毛と耐熱形状記憶毛を厳選し、1人ひとりのお客様に合わせて、毛髪の色や太さ、密度を調整して髪本来の美しいツヤと質感を実現。
また、熟練した職人が、毛髪1本1本を手作業で植えているので、生え際や分け目も自然な仕上がりとなっている。国内外にあるSクラスと言われるところも含めて多くの工場に足を運び、それぞれの優れた技術と製品を組み合わせることで、高品質のウィッグを求めやすい価格帯で実現することができているのだ。
それだけの生産体制や営業努力で高品質でもリーズナブルな価格を設定できている。ウィッグの価格に膨大な広告宣伝費を上乗せするという大手メーカーの価格設定とは、自らがよって立つポジションが違っている。
取材時、その場でウィッグの見本を見せてもらったが、地肌はまったく自然に見える。通常はネットの上に毛を植えているのだが、その上にシルクでできた細かいネットをかぶせ、その下側から1本1本毛を引き出しているという精巧で根気のいる仕事によってウィッグができているというから驚く。
それほど高品質でしかも価格がリーズナブルなウィッグが可能なのかというと、この辺でネタを明かすことにしよう。

大手かつらメーカー出身の2人の代表が
矛盾や問題点打破とユーザーのために起業した

サロン「フローレン」を経営する母体は(株)アイスリィーという企業だ。ここの代表取締役は前出の井上氏の他にもう1人、伊藤高弘氏がいる。2人の連立政権である。井上氏も伊藤氏も共に大手かつらメーカーの出身。そこで数十年のキャリアを重ねた。だから業界の表も裏もよくわかっている。特に裏の部分。ユーザーの負担ばかりを強いるその販売体制に2人の不信感は募っていった。それでも大手メーカーの専属サロンで顧客の支持率でトップ10に常時ランクインしていた井上氏、その高い支持率を勝ち得たのは、会社の営業方針に反してまで丁寧で良心的な仕事ぶりにあった。
だから、井上氏、伊藤氏は、ウィッグの採寸も装着も、さらに発注における仕様書の作成も、さまざまな工場との連携にも精通していた。
「お客様の不幸を顧みない利益至上主義、販売ノルマ達成主義には我慢がならなかったんですよ。われわれが立ち上がるしかないと思いました」
これは伊藤氏の弁である。そこで満を持して、2人して現在の会社を起業したのである。だから(株)アイスリィーは、サロンからの受注、仕様書づくり、工場への発注を行なう、つまりメーカー機能を担っていることが事業内容となっている。
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そしてサロン「フローレン」はウィッグの専用サロンとして営業の最前線に立っている。そういう役割分担が両者にはあるのだ。
そして最前線である「フローレン」である。スタイリスト3名の陣容で月に120~130名のお客様をこなしている。営業方法はもっぱらホームページやSNSなどで、ウィッグに価格転嫁しないよう広告宣伝費を極力抑えている。新規客での新たなウィッグのオーダー、自毛が伸びてスタイル修正をするためのカットでの来客、スペアウィッグのオーダー、既存のウィッグのメンテナンス、さらに同店では増毛サービスも行っていて、その増毛の施術・・・といった具合に、一度ウィッグや増毛を受注すればリピーターとして来店し続ける仕組みがあり、これも強みとなっている。
お客様同士のプライバシーに配慮し、完全個室で4部屋(うち1室は研修室を兼ねる)が完備。この部屋で施術をする。いずれも施術椅子は理容用の椅子を備える。理容椅子ならそのままフラットにできウィッグや増毛の施術が行いやすいからだ。
そして母体となる(株)アイスリィーである。ここでは自店でのウィッグ生産のための受注業務を行っていることは述べた。だが、自店ばかりに窓口を絞るつもりはない。
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「サロンの生産性は低いですね。ですからウィッグや増毛で売上げの増加をはかってほしいんです。希望サロンがあれば対応いたします」
井上氏はこう語る。言われるまでもなくサロンの生産性は低い。低いどころか全業種中最低レベルにあることは読者ならご存じだろう。生産性の低さがスタッフの給料に跳ね返ってきてしまって、これまた全業種中最低レベルに甘んじている。
この現状をなんとしてでも打破しなければ、業界の豊かな将来はない。
そこで、生産性を上げる、それも飛躍的に上げる方策の1つとして、ウィッグのサービスを取り入れてみないか。これが同社の願いである。

いたれり尽くせりのキメ細かなバックアップ体制
これでウィッグ導入のネックを解消する

生産性の飛躍的アップ。繰り返すが、例えばオーダーメイドのウィッグサービスをサロンで導入する。それが20万のリーズナブル価格でのオーダーを受けるとする。しかも一度オーダーを受けたらお客様はリピーターとしてサロンへ定着する。
しかし、採寸の方法がわからなかったり、そもそも面倒だという場合も心配ない。希望者にはウィッグの現場対応方法をセミナーで随時おこなっている。それでも腰が重いという人には、お客様からオーダーがあれば、同社から出かけていって、営業から採寸、そして発注まで、そして完成品の装着まで一連のサービスを、それも無料で行ってくれるというのだ。冒頭で記したH氏のサロンもこうやって受注に結び付けたのだ。

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伊藤氏は言う。 「もともとプロの技術者ですから、そのやり方を一度目にすればすぐに覚えられます。もちろん最終的に受注につながらなくても申し訳ないという思いは無用のことです。なぜなら、私たちが出かけていってオーダーに結び付かなかったことは皆無だからです。またクレームなどの対応も当社で責任をもってやりますが、感謝されこそすれクレームのたぐいもいまだかつて一件もありません」
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地方のサロンで効果的なのは、数店舗が集まってウィッグの試着展示会を開催することだという。ウィッグを希望する10人ほどのお客様がいれば一度の展示会で全員の受注が可能になるという。
なるほど、ウィッグ導入に際して至れり尽くせりの対応ぶりである。これでウィッグ導入に際してのネックとなる問題点の大半が解消されたのではないだろうか。

自毛と見分けがつかない精巧なつくり
医療用ウィッグにも病院と提携して進出する

さらに補足説明する。ウィッグの製品自体の卓越性ということだが、自毛のサンプルがあればより精巧なウィッグを製造することができる。白髪の配合、髪の毛の太さ、ツヤ、色、クセなどの形状などそっくりそのまま再現するようにウィッグをつくるのだ。さらにスタイルや長さ、毛量・密度、毛流れ、立ち上がりなど希望に合わせて自在にデザインできる。
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ポイント用ウィッグ(ヘアピース)もオーダーメイド。分け目やつむじなどの薄毛が気になる部分、あるいは傷や円形脱毛などの局所に使用する。使用目的に合わせて、素材、サイズ、形をオーダーメイドで対応する。自毛での製作も受け持つ。
そう、傷や円形脱毛の他に抗がん剤の副作用である抜け毛などの医療用ウィッグにも力を入れている。こちらもオーダーメイド(緊急を要する場合はセミオーダーメイド)で対応。
基本的には自毛の再生を一番に考え、ウィッグを着けるタイミングや自毛へのケア、自然に外す方法など細やかにアドバイスしながらウィッグが外れるまでしっかりとサポートしている。医療用ウィッグといえば大手かつらメーカーの独断場である。高い医療費を支払ったうえで、さらに高額のウィッグを負担しなければならない。そこを高品質なおかつリーズナブル価格で提供しようというのだ。
患者サイドの立場に立った良心的なサービスとして、今では北里大学病院、慶応大学病院、聖路加病院、国立がんセンターなどの医療機関とも提携するようになった。
一方、老人ホームなどへの出張理美容サービスの需要の高まりを受けて、業者と提携したウィッグの提供も始まっている。

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ますます市場規模の拡大が予想される
生涯にわたっての囲い込みに強力なアイテムとなる

このように、サロンへの協力体制と高品質でリーズナブルなウィッグへの販売体制が完備しているのだ。まさにイノベーションである。
日本の人口構成比をみればおわかりの通り、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが開催される年には、日本人の平均年齢は50歳に達する。今から4年後のことだ。サロン利用客も例外なく平均年齢は50歳に達する。当然のことながら、薄毛やボリュームダウン、白髪などの悩みは増えこそすれけっして減ることはない。そこに大きなビジネスチャンスが生まれるわけだが、ウィッグの需要も年齢構成比の変化に応じて拡大することは間違いない。そんなチャンスをサロンはみすみす逃すことはない。
「ウィッグの市場規模は1500億円と言われています。既存の理美容室の市場規模は減少していますね。ますます拡大が期待されるウィッグならびに増毛の市場をサロンで取り込みたい。サロンのみなさんと一緒に推進したいのです」
井上氏はこう語った。市場規模が縮小しているからといって新たな市場を海外に求めるわけではない。そんなリスクが多いことにチャレンジするよりも、この日本で、今後の市場規模の拡大が望める市場で、既存のお客様に対してウィッグ・増毛という新たなサービスメニューの提供を行なってみる。これも生涯顧客化という成熟時代の大きなテーマに対応することにほかならないのだ。
新たなビジネスチャンスの発見は、そのままサロンの社会的役割の増大に直結することは言うまでもない。
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